TVアニメ「超時空要塞マクロス」の二次創作を公開しています。
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§15 戻れない道
 西暦2011年の春は、表面上は穏やかに過ぎていった。
 ほとんど唯一となった組織だったゼントラーディ残存勢力、通称"狼旅団"による被害は散発的に続いてはいたが、軍による報道統制のため、このことを知る者は少ない。
 統合軍が恐れていたのは他のゼントラーディ人に対する影響であった。地球との和平に合意したとはいえ、未だその生き方を決められない者も多くいる中、アクティブに活動する残存勢力の存在が知れれば、彼らの心に揺さぶりをかけることになりかねない。
 そんな中、この"狼旅団"対処のための特別部隊、アフリカ特殊作戦隊が編成された。飛行隊とデストロイド隊からなる特別編成で、ドール・マロークス中佐が教導隊所属のまま、その指揮官に就任することとなった。
 エキセドルと共に挨拶に訪れたドールに、作戦部長、マイストロフ少将は型どおりの激励の言葉をかけ、次いで葉巻を燻らせながら、どこか苦々しげな面持ちと共に付け加えた。
「あの作戦のセンセーショナルな成功が、歌さえあれば何とかなる、といった慢心を生んでしまったことは否めん…連中はすでに歌とは何かを知っている…もうこけおどしに歌など聞かせても、何の効果もありはせんのだよ…」

 作戦部長のオフィスを退出すると、通路を歩きながら二人のゼントラーディ人は、目にたまった涙を懸命に拭き取った。
 別にマイストロフの話が悲しかった訳ではない。キューバ産の高級葉巻の煙は、彼らにとっては化学兵器並みに強烈であったのだ。
 部隊の事実上の創設者であるエキセドルは、特別幕僚として作戦本部に籍を置くことになっていた。ハンカチをたたんでポケットにしまいながら、彼はこれまでの経緯を簡単に説明した。
「マイストロフ閣下は、あなたが指揮官になることにあまり賛成ではなかったようです…」
「それは…私がゼントラーディ人だからでしょうか」
「…ま、そんなところでしょうな」
 意外にあっさりとした口調でエキセドルは答えた。が、実は総司令部の中でもゼントラーディ人に好意的でない幕僚からは、相当露骨な反対意見もあったのだ。
「私は…」
 ドールは下を向いた。確かに部下の身を案じてはいる。が、戦いに臨んではたとえ相手が誰であっても、一切の妥協や手加減をするつもりはない。それがゼントラーディ人の誇りだ。
「いや、分かっておりますとも。中佐」
 視線を前に向けたまま、エキセドルは語った。
「彼らには我々の誇りは理解できない。我々に彼らの憎しみを理解できないようにね…あなたは優れた指揮官だ。この作戦にあたって、適任だと判断したからこそ、私は強く推したのです。うるさい声も聞こえましょうが、あなたは気にせず、思うとおりにやればよろしい」
 任務を達成できるか、できないか。それだけが指揮官として必要な要件のはずである。そこに心情や感傷を持ち込もうとする地球人の心は、エキセドルでさえ容易には推し量れない。
「今度の相手は一筋縄ではいかない連中です。なにしろ、レギンの報告では…」
 無念の死をとげた諜報員の名を、エキセドルはあげた。
「彼らは男女の兵が行動を共にしていたそうです」
「……」
「地球人を見て真似たのかどうかは分からないが、いずれにせよ我々ゼントラーディ人にとっては大変な決断です。それに我々にとって全く未知の、地球の文化に触れても、冷静にそれを分析し、弱点を探そうとしている…よほど優れた指揮官がいるのは間違いありませんが、あなたの…いや、まだ確定ではありませんが…記録参謀の力も大きい」
 つまりは、その片翼を切り離すという今回のプランが一番合理的なのだ。とエキセドルは言いたいようだった。
 ドールは黙ってうなずいた。
 これから彼女には山のような仕事が待っている。部隊の選出、情報の整理統合や作戦、支援部隊との調整や訓練計画など、地味で膨大な作業だ。
「ところで、マイストロフ閣下はああ言っておられたが…」
 ここまで言って、エキセドルは表情を緩め、しみじみと語った。
「それでも歌はいいものです。いや、歌だけでなく、この世界には私達になかったものがたくさんある…それらのものに触れた以上、我々ゼントラーディ人は、決して変化と無縁ではいられない。それは、嚇しとしての効果より、ずっと重要なことなのです…」

 その日の帰り道、ドールはいつもの店で夕食の材料を買った。
「まあまあまあ、一体何を食べたらそんなに大きくなれるんだろうねぇ」
 横幅だけはドールの倍はある青果店の女主人は、トマトを二個おまけしてくれながら、決まっていつも同じ科白を言うのであった。
「なんだってね。あんたたちの星では、男も女も、みんな兵隊にとられちゃうっていうじゃないかい。かわいそうにねぇ。親御さんはさぞ悲しんでるでしょうよ」
 一般市民の全てが、ゼントラーディ人とその社会について知っている訳ではなかった。かわいそう、と言われることに困惑を感じながらも、ドールは女主人の素朴な善意に感謝した。
 官舎に戻り、夕食の仕度にとりかかる。彼女はタチアナの手ほどきを受け、簡単な料理ならこなせるようになっていた。
 ベーコン付きオムレツとサラダ、そしてインスタントスープ。たっぷりとジャムをのせたパンをかじりながら、なかなか満足のいく出来だ。と、ドールは自分の料理に合格点をつけた。
 もし、ランがこれを食べたら…
 おいしいと思ってくれるだろうか。
 オムレツを頬張るランの姿を想像してドールは微笑みかけ、すぐに口元を引き締めた。
 それを実現させるには、これから臨む戦いに、勝利しなければならないのだ…

* * *

 アフリカ北部の丘陵地帯をアゾニア軍団は根城にしていた。かつてこの北に位置していた地中海は、大幅に面積を狭めた内陸の海となり、彼らは容易にこの地へ渡ることができたのだ。
 星間大戦以前もここは乾燥が支配する地であり、昼も夜も、気まぐれに砂嵐が起こった。
 そしてこの夜も、猛烈な砂嵐に見舞われていた。
 岩山の合間に巧みに隠されたアゾニアの野営地も、襲い来る嵐からは完全には逃れ得なかった。天幕はバタバタと煽られ、砂が容赦なく入り込んでくる。
 ランは横になっていたが、荒れ狂う風の音が、なかなか眠りの国へと旅立つことを許さなかった。
「ふえーっ、ひでぇ」
 仕切りの向こうから、この天幕の女あるじのため息が聞こえ、続いて本人が顔を出した。
「おっ、悪ぃ、起こしちまったか」
「ううん…」
 この部屋とも呼べない、指揮用天幕の一角を古毛布で仕切った空間には、簡易ベッドが二つ置かれ、アゾニアとラン、フィムナがローテーションで使っていた。まれに三人がぶつかったときには、体の小さいランがどちらかと一緒に寝るしかない。
 フィムナはその外見に反してきわめて寝相が悪く、ランとしてはアゾニアと一緒に寝るほうが安眠が得られるというものだった。が、フィムナは今この野営地にはいない。戦艦アルタミラとの連絡係として、あの北の最果ての地に行っている。
 アルタミラの作業チームとは常に連絡を取り合い、物資や情報のやりとりをしていたが、通信はよほど緊急の時しか使われず、主に伝令が活躍していた。
 ランはもそもそとベッドの上に身を起こし、座りなおした。
「腹、すいてないか?」
 アゾニアはポケットから白い球状のものを取り出してランに手渡した。
「……」
 その塊の正体はあの白い粉である。なんとか食べにくさを克服しようと知恵を絞ったアゾニアが、水を混ぜて丸めたもので、そのアイデアにはランも感服した。が、あの無味乾燥な味はいかんともしがたかった。
 それでもランは空腹に負け、その塊を口に入れた。
 食べ物がない訳ではない。が、いつまた食料が調達できるか分からない現状では、配給される食べ物は常に必要最小限であった。身体の割に大食漢の彼女には、いささか物足りない状況である。
 おそらく、アゾニアは自分の割り当て分を分けてくれたのだろう。ランもそれは重々分かっていたから、彼女のこの好意はありがたかった。
 固く乾いたその塊をかじると、口の中で溶け、ねっとりした感触のみを残した。ゼントラーディの戦闘糧食の方がまだ味がする。
「ちょっと着替えさせてもらうよ」
 その脇で、アゾニアは着替えを開始した。砂まみれの戦闘服を脱ぐと、薄茶色の埃が舞い散った。
「うわ…」
「しょうがねえだろ、この天気なんだから…」
 アゾニアは全く頓着せず、その場で脱いだ戦闘服をバサバサとはらった。
 この女戦士は顔以外にも、左腕、右肩、右の太股に大きな傷跡があった。鍛えられた筋肉がほどよく配置された、全く無駄のない、バランスのとれた体の上には、その他にも小さな傷や火傷の跡が数多くあり、どれもが彼女にとっては戦士の勲章である。
 新しいシャツを身につけると、アゾニアはベッドにごろりと転がった。決して口には出さないが、その顔に疲労の色がかすかににじみ出ているのがランには分かる。
 しばらくしてアゾニアは半身をよじり、ベッド脇の小さな機械に手を伸ばした。スイッチを入れると、あの日録音した歌が静かに流れだす。
 この歌以外にも、彼らは多くの歌がこの星にはあることを学んだ。
 そして、それらの多くが『恋』や『愛』を織り込んだものだった。彼らがこの星で初めて出会った概念である。
 頭の後ろで手を組んだまま、女戦士は上を向いて何か考え事をしているようであった。
 そして、何度か迷ったように口を開け閉めした後、つぶやくように言った。
「なあ…男と女は…何故一緒に居たらいけないんだ?」
「え…」
 意外な質問に、ランは戸惑った。
「…よくないことが起きるって…」
「よくないことって?」
「…さあ…」
「そうだよな…」
 女戦士は目をつぶった。そのまま何も言わず、身動きもしない姿に、ランは彼女が眠りについたと思ったが、またしばらくして、その口だけが動いた。
「男を仲間に加えたのって…どうだったのかな…」
「な、なんだよ…今さら…」
 元々ランは、男の兵士が混ざっていることをよしとしていなかった。が、もし彼らを加えなければ、人数も装備もまるで足らず、今のようにはとても戦ってこられなかったであろう。そのことは彼女も納得している。
 当初は、男兵士と女兵士は、互いに警戒して必要以上に接触しなかった。が、今ではごく普通に接している者が多い。
 今やアゾニア軍団は、あの頃の寄せ集め部隊ではなく、洗練されたチームワークと固い結束を持つ、優れた部隊へと成長していた。
 しかしそれは、アゾニアの大いなる苦しみと引き替えのものであった。

 この星の土を踏んだ時から、アゾニアは数々の大きな矛盾を抱えてきた。
 男女混成部隊を作らなければ生きていけなかった事。あの不可解な地球の文明に触れるほどに感じる不安。しかしその彼らに近づかなければ、情報も物資も、何も得られない事…
 それらの相反する、もとより最善など存在しない、極めて選択肢の少ない限られた道で、常にアゾニアはぎりぎりの判断を下してきたのだ。怖ろしいほどに孤独な、内面の戦い。
 指揮官の孤独。それをランは誰よりもよく知っていた。
「アゾニア…私…アゾニアの判断は正しかったと思うよ…」
 戦士の顔に、かすかに穏やかさが浮かんだ。
「お前にそう言われると…救われる…」
 そして大きくのびをし、あくび混じりに言った。
「あーあ…監察軍相手だったら、頭悩ませずに済むんだけどよ」
 ふとアゾニアの脳裏に、彼女が殺した内通者の姿が思い出された。
 両手両足を撃ち抜かれ、苦痛にあえぎながらも、その男は決して卑屈にならず、信念に満ちた眼差しを彼女に向けて言ったのだった。
「俺のしたことは、あんたたちから見れば裏切りだろう。だが俺はゼントラーディ人の誇りを捨てた訳じゃない。与えられたものでない、新たな道を見つけただけだ。俺はその新たな道のために死ぬ。あんたたちにもいずれ分かる…!」
「黙れ!」
 アゾニアは撃った。わざと急所をはずした弾を全身に撃ち込まれても、男はついに悲鳴をあげるようなことはしなかった。
 それが悔しかった。アゾニアはその男に、無様に命乞いをさせたかったのだ。が、彼女が裏切り者と断じたその男は、最期までゼントラーディの戦士であり続けた。
 そこまでのことをゼントラーディ人にさせる、この星のマイクロンとは、一体何なのであろうか…
 思考するアゾニアの傍らで、ランがぽつりと言葉をこぼした。
「本当は…マイクロンの星を攻撃しちゃいけないんだ…」
 全く何気なく発されたその言葉は、小石となってアゾニアの心の深淵に投げ込まれた。
「なんだって…」
 アゾニアは身を起こした。
「どういうことだ、それ」
 女戦士が顔色を変えたのに、ランは気が付かない様子だった。
「そう決まってるんだよ…マイクロンの星には…」
 そしてふとランは、自分で言った言葉に改めて疑問を抱いた。
 では、なぜ基幹艦隊はこの星に攻撃をかけたのだろう?
「――うッ」
 ふいに、鋭い痛みがランの頭を襲った。
 何かの言葉が浮かびかけ、形になる前に消えた。その代わりにひどく不快な、極彩色のイメージが次々と現れて、ランは頭を抱え、うずくまった。
「おい、どういうことだ。じゃあ基幹艦隊は、攻撃しちゃいけない相手に攻撃かけたってのか!?おい」
 その声を背に、それでもランは必死に次の言葉を紡ごうとした。何かを思い出しかけたのだ。今、言葉にしなければ、また消えていってしまうかも知れない。何か言わねばならないことがある。アゾニアに伝えなければならないことがある。
「それは…この星が…」
 激しい動悸がつきあげ、言葉を遮った。懸命に呼吸を整えようとしたが、何かが内部から邪魔をしているかのようだった。あまりの息苦しさに、ランは崩れ落ちた。
 アゾニアの両手がその肩を支え、抱き起こす。その時、掠れた声が、弱々しく耳に入った。
「………ト…」
「?」
 アゾニアはかすかに動く唇に耳を近づけた。
「何だ、しっかりしてくれ!おい!」
「どうした!」
 天幕の仕切りを揺らして、ソルダムが飛び込んできた。すかさずランの身体を抱え上げると、ベッドに横たえ、手早く脈を計りはじめる。
「服をゆるめてやってくれ」
 そう頼むと、ソルダムは薬の準備をするために部屋を出ていった。

 自分のねぐらとする天幕に飛び込むと、ソルダムは薬品の保管箱をあさった。その物音に、休んでいたケティオルが長身をむくりと起こした。
「なんかあったのか」
 ケティオルはソルダムの抱えている道具をちらりと見た。
「またあいつか?」
「ああ…」
 その表情に苦く沈んだものを見て取ったケティオルは、皮肉っぽく鼻で一つ息をし、肩をすくめた。
「しょうがねぇよ。最初からどっかおかしかったんだろ」
「そんなんじゃねぇよ」
 が、彼の予想に反し、ソルダムはどこか深刻で、寂しげな横顔を作った。
「俺は…聞いちまったんだ…アゾニアが話してるのを…」
「え…」
「立ち聞きするつもりはなかった…が、あいつは言ってたんだ。男と女を混ぜたことの不安を…ランの奴に…」
「…?」
「アゾニアが色々な悩みを抱えてるぐらい、俺だって分かってる。だが、あいつは絶対言わん。部下である俺たちには…心の揺れを明かすことは絶対にしないんだ…」
「じゃあ、なんでランだけに…」
「それは…あいつがあんまりにチビで、弱っちくて、俺達と違ってアゾニアの地位を脅かす心配がないからさ」
「お、俺は別にアゾニアの後釜狙おうなんて、考えたこともないぜ」
 ケティオルは畏れ多いという風に、半ばおどけて両手を広げた。
「俺達がどう思うかじゃない。アゾニアのプライドさ。指揮官としてのな…プライドに賭けて、あいつは他人に弱みを見せないんだ」
 ソルダムの口元がかすかに、悔しそうに歪んだ。
「俺だってな…いや…」
 言いかけて黙ると、ソルダムはそれきりその件については何も言わず、再び砂嵐の中へと飛び出していった。

「顔色は少し良くなったがな。念のためだ」
 点滴の処置を施すと、アゾニアとソルダムは、ランが休むベッドから古毛布の仕切り一枚を隔て、作戦卓をはさんで腰掛けた。そのままアゾニアは、難しい表情であらぬ方向を睨んだまま、黙りこくってしまった。
 風の音ばかりが響く部屋。どうもソルダムにとっては、居心地の悪い空気であった。彼は鼻の脇と、次いで頭を掻いた。
「やっぱり…頭打った時に何か…」
「ちがう」
「え?」
「お前、まだあいつが怪我のせいでおかしいと思ってるのか?」
 ソルダムを横目で見ると、アゾニアは脚を投げ出して腕を組んだ。
「あいつがおかしくなるのは、過去の、失った部分の記憶に触れようとする時だ。だからこの際、思い出させてやった方がいい」
「そんな事言ったってよ…」
「ウンコをいつまでも腹にためてるから具合悪くなるんだ!ドバーッと出しちまえば、スッキリするだろうが!」
 ひどいたとえだとソルダムは思ったが、一方でアゾニアの理論には一理あるとも思う。
「しかしよ、どうするんだ。俺にはどうにもできないぜ」
「…マイクロンの医務官を捕まえる」
「えええっ!?」
 ソルダムは素っ頓狂な声を上げた。
「どうも医療技術に関しては、地球人の方が進んでるみたいだ。失った記憶を取り戻す方法ぐらい、知ってるんじゃないのか」
 アゾニアに出会って以来、この女戦士の頭脳には驚かされるばかりだが、今回は特別奇抜なアイデアである。しかし、そのアイデアには重大な欠陥があった。
「でもあいつ…マイクロンを異様に怖がるじゃねぇか…」
 アゾニアは不愉快そうに眉を2、3回上下させた。
「もうわがままは言わせるか…ふん縛ってでもマイクロンの医官に診せる」
「絶対だな」
「絶対だ」
 珍しくアゾニアは、ムキになって答えた。
「あたしに考えがある。人間一人をさらうんなら、街にいる連中にまぎれた方がやりやすい。2、3人連れて行く」
「お前が行く気なのか!?」
「言い出しっぺはあたしだ」
 ソルダムは心底呆れ返った。どうしてこうもアゾニアは、ランのこととなるとこう意地になるのか。いつになくイライラとした感覚をソルダムは感じていた。
「指揮官のお前が出て行く話か!俺が行く。その考えとやらを教えろ」
「……」
 アゾニアはソルダムを睨んで口を開きかけたが、すぐ思い直したようで、小さくため息をついた。
「…そうだな…すまん…」
「……」
 いつもの冷静さを取り戻したアゾニアを見ても、どこか釈然としないものがソルダムの胃に残った。

 南の街、アトラス・シティで奇妙な事件が起こるのは、この数日後のことである。
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