アフリカの乾いた大地を疾走する、一機だけのリガード。
ひび割れた平原に点々と続く岩山の間を縫いながら、北へと向かってひたすらに駆けていく。
操縦席には、赤い髪の少女。悲壮な面持ちとは裏腹に、機体が揺れるたびに下へと落ちてくるヘルメットを押し戻すその姿は、どこか滑稽でもあった。
リガードはゼントラーディ人なら誰でも操縦法を知っている、簡単な機械である。ただ、操縦法を知っているのと、実際に操縦するのではかなり違う。しかも狭さでは定評のあるこの操縦席も、記録参謀ラン・アルスールには少々大きすぎた。
その上リガードは、その乗り心地の悪さにおいても定評がある。細長い足が地面を蹴るたび、振動が直に硬いシートに伝わり、小さな身体が跳ね上げられた。なんとか舌を噛まないようにしているのが精一杯である。
その状態でほぼ三日間、ランは走り通していた。途中、ほんの数回の休息と、短い仮眠をとったのみ。本来ならもっと休息を入れるべきであるが、時間は一秒でも惜しい。
ひどい振動は疲れの進行を加速させた。首は痛み、尻にはすでに感覚はない。足を伸ばしてペダルを踏んでいるため、足の筋は伸びきっていた。睡眠不足には慣れているが、こうも体力を消耗していると、襲い来る眠気も強烈であった。
それでも、彼女には達成すべき目標があった。
――ドールさんが君を心配しているぞ――
あの時、敵兵の発した言葉がまた脳裏をよぎる。
――ドール司令は、私を忘れたわけじゃない…でも、それならなんで私たちを攻撃なんて…
嫌な考えと眠気を振り払うように、ランは頭を振った。
あの言葉自体が、心理的揺さぶりをかけようとする、地球人の罠かも知れないではないか。
「ドール司令は…絶対に、絶対に裏切り者なんかじゃないよ…」
何とかそれを自分の目で確かめたかった。とにかく、野営地で軍の通信を盗み聞いたり、テレビやラジオに耳を傾けたりしているだけでは情報が少なすぎるのだ。
だが、野営地を飛び出したものの、具体的にどうするのかは何も考えていなかった。
とりあえず彼女は、一番近い街であるアレクサンドリア・シティに行くつもりでいた。そこから先は「行ってから考えよう」である。彼女にしては考えられない無謀ぶりだ。
大体、当然のことながら、街にはマイクロンがうじゃうじゃいるはず…
尾てい骨のあたりから寒気が脊髄を伝ってのぼり、思わぬ身震いが襲い来た。
「ええいっ、もうどうにでもなれっ!!」
自分に向かって叫ぶと、ランはリガードのスピードをさらに上げた。
しかし、このあまりに無謀な行動計画は、破綻を迎えるのも早かった。
波のように襲い来る眠気に、ついに抗しきれなくなったのか、リガードの足取りが段々と怪しくなってきた。
何度も頭を振り、ランは必死に気力を保っている…つもりであった。
どういう訳か、目に映る景色が飛び飛びになる。そのことに気付いた時には既に遅く、眼前に巨大な岩の地肌が迫っていた。
「ああっ」
激しい衝撃。ランは顔面をモニター画面にいやと言うほど打ち付けた。
居眠り運転の挙句、岩山に正面から突っ込んだ哀れなリガードは、きしんだ音を立てながらゆっくりと倒れ、動かなくなった。
「うう…」
やっとのことで、ランは身を起こした。顔面を襲う痛みに顔をおさえると、べったりと血がついた。
慌ててそれを戦闘服の裾でごしごしと拭く。口の中に鉄の味が広がると同時に、重い痛みと妙な違和感を感じ、恐る恐る、舌先で感触を確かめた彼女は、半泣きになった。
「歯が…」
前歯が一本、欠けているらしい。
「……」
しばしの間呆然とした後、ランは次の行動を開始した。ハッチを開け、横倒しになっているリガードから這い出すと、その機体を点検する。
「あーあ…」
調べるまでもない。リガードのメインカメラは完全に潰れていた。
「……」
周囲を見回す。彼方の地平線は砂漠の熱気で揺れ、見えるのは転々とした岩場のみである。
ふう、とランは一つため息をつくと、リガードの操縦席に再び体を突っ込み、持ってきた物を取り出した。
大き目の雑嚢が一つ。中にはわずかばかりの食料である。足りないのは目に見えていたが、無断で出て行く上、あまりたくさん持ち出すのは気が引けたからだ。そして毛布、簡単な方位計測器と双眼鏡、小型ライト。地図は頭に入っている。
水筒と予備のエネルギーカートリッジを弾帯につけ、ビーム銃をかついだ。気休めにしかならないことは分かっているが、日ごろアゾニアからくどいほど銃を離すなと言われ続けたのが、彼女の身にも染み付き出していたのかも知れない。
ヘルメットの顎紐を締めなおすと、ランは揺らめく地平線目指して歩き出した。
まだ癒えきらない左足がズキリと痛む。
一方、遡って三日前、アゾニアの野営地では、一見いつもと変わらぬ静けさの下で、不穏な空気が渦巻いていた。
「参謀がいない…!」
顔面蒼白のフィムナと、一機足りないリガード。何が起こったかは明白だった。
指揮天幕に幹部たちが集まり、険しい顔を付き合わせた。
中でもアゾニアの、苦々しげに口元を結び、目を堅く閉じて眉間に皺を寄せた姿から立ちのぼる怒りのオーラは、百戦錬磨の戦士たちに冷や汗をかかせる程だった。
今にも荒れ狂い出しそうな嵐の予感に刺激され、幹部達は殺気立った。
「脱走は重罪だよ!早く追いかけてとっ捕まえないと。とっちめてやる!」
いきり立つドルシラに、フィムナが怒りを爆発させた。
「なんですって!大体アンタが…!」
割って入るようにソルダムが怒鳴った。
「はやるな!どこに行ったかは想像つく」
「どこだってのさ」
「街だ」
「街ィ!?」
きょとんとするドルシラの横で、女ボスが地面を睨みつけたまま、重々しく口を開いた。
「上官の件で、居ても立ってもいられなくなったんだろう…」
「……」
ドルシラは意味が分からないらしく、妙な顔でアゾニアとソルダムを交互に見た。
「…そんな事言ったって、地球人の街なんか行ってみたところで、どうにもならないじゃんかよ…」
アゾニアは大げさなため息と共に上を仰ぎ見た。
「まさか、こんな突拍子もない真似してくれるとは思わなかったな…」
「一番マズイのは、あいつがドジ踏んで地球人に捕まる事だ。まさか自分から何か喋りゃしないだろうが、奴らはどうも得体の知れない事をしてきそうだからな…」
そう言ってソルダムはカリカリと頭を掻いた。大体、この前の戦闘で、地球人たちがランに狙いをつけていたことは明らかだった。なのに、どうしてこう軽はずみなことができるのか。
「仕方ねぇ。俺が回収に行く。バトルスーツなら速い…ドルシラぁ!!」
「な…なんだよ」
「絶対に口外するなよ。ベラベラ喋りやがったら、舌を引っこ抜くぞ」
「う…うるさいね。あたいだって分かってるよそんなこと」
睨まれて、さすがのドルシラもふてくされたように横を向く。
「あたしが行く」
「おい、アゾニア…!」
彼らの上官は記録参謀のこととなると、いつもの冷静さを忘れる傾向がある。ソルダムは戸惑い、苦々しい表情を作った。
「勝手に出てったことは許されないが、あいつはこの軍団には絶対必要だし、とにかく地球人に見つかるのはまずい」
「そりゃ当然だが、お前が行く理由にはならないぜ」
「あいつも生半可な気持ちで出てったわけじゃ絶対ない。機械みたいに、言われた事しかできなかったあいつが、あたしが怒り狂うのを承知でリガードを持ち出し、あれほど嫌ってるマイクロンの街へ向かった…よほどの覚悟だろう。あたしが行ってやらなきゃ、あいつだって立場がないだろう」
「……」
ランの決意というより、アゾニアの決意を見て取り、ソルダムはそこで引き下がるしかなかった。
「それにしても…あいつらしくねえな。後先考えずに行動するなんてよ…」
しかめっ面と共につぶやいたソルダムに、アゾニアはフッと軽い笑いを投げかけた。
「気がついてなかったか?…あいつな、結構、バカな所あるぞ」
砂漠の容赦ない太陽が、身長8メートル余の体に降り注いでいた。
もうどれだけ歩いただろうか。
「暑い…」
地球人より暑さ寒さに強いゼントラーディ人だが、暑さの方はどちらかといえば不得手であった。体が大きい分、体温が逃げにくいためだ。
水筒はとうに空である。
周囲の風景は平坦な平原から、ゆるい丘陵地帯へと変わっていた。起伏のある地形が余計に体力を使わせた。
黙々と歩くうち、ふとランは前方に何かか転がっているのを見つけた。
小走りに駆け寄ってみると、それは金属の破片だった。黒く焼け焦げていたが、元の色はダークグリーン。間違いなくゼントラーディ軍のものだ。
「ここは…」
見れば他にも点々と、同じような残骸や、爆発の跡らしき穴が散らばっている。
雑嚢から方位計測器を取り出し、周囲の地形と頭の中の地図とを照合してみた。やはりここは、あの待ち伏せ攻撃を受けた谷間に間違いない。
「私が怪我したところだ…」
あの時の、あの場所に戻ってきたのだ。
方角は間違ってはいないが、目的地まではまだあまりにも遠すぎる。
「……」
気合を入れるつもりか、ランは肩を回す運動をし、大きく一つのびをすると、銃と雑嚢を担ぎなおし、再び歩き出した。
荒涼たる砂漠の風に吹かれながら、半ば呆然と、その女性は戦場跡にたたずんでいた。ゆるいウェーブのかかった金髪をバンダナで束ね、旧式の大きなカメラを手にしている。
「私…甘かったのかしらね…」
「あ?何か言ったかい?」
インカムから、彼女をここまで運んできたヘリのパイロット、フレッドの間延びしたような声が聞こえた。
この谷間にはヘリは降りられないので、少し離れた平地に待機している。
「いえ…」
そこは、砂漠の丘陵地帯にある谷間で、統合軍とゼントラーディ軍残存勢力との激しい戦闘が行われた場所であった。
いたるところに両軍の武器装備の残骸が散らばり、地面や山の岩肌には黒く焼けた跡、そして爆発や銃弾によって削られた穴が無数にある。
タチアナ・ベリンスカヤはマクロス・タイムズの記者として、ゼントラーディ軍の大型ミサイルにより大きな被害を受けた、アレクサンドリア・シティを訪れた。
街は復旧を始めたとはいえ、その傷跡はあまりに大きかった。大型ミサイルによる破壊は、街をえぐり、また人の心をもえぐった。
彼女もまた、星間大戦中はマクロス内でゼントラーディ軍の攻撃におびえ、近しい人々の死に幾度も接してきた身である。
それでも、決して馴染むことのできない光景が、彼女の心を締め付けた。
(どうしてまだ戦い続けるの…?せっかく自由になれたというのに…)
タチアナは街の惨状を見て回るより、何故、戦いをやめようとしないゼントラーディ人がいるのかを知りたかった。
被害者の感情を煽っていても、戦いは終わらない。互いに誤解があるならそれを正し、共に歩むための努力をしなければ…常に理想を追う彼女はそう考える。そこで途中、先輩記者と別行動をとり、渋るパイロットを無理やり口説き落として、民間人の立入禁止地区であるこの谷間にやってきた。
どうしても自分の目で、本物の戦闘の一端でも見ておきたかったのだ。
もしかしたらあるいは、抱いている疑問への答えの糸口を見出せるかも知れない。
しかし、ここにあったのは、彼女が想像していた以上の戦争の現実だった。
一応ながら復旧が進むアレキサンドリア・シティと違い、ここは地獄そのものであった。
ときおり、風に乗って異様な臭気が襲い来て、そのたびに彼女はこみ上げる吐き気を辛うじて押さえた。
戦闘の後、調査・回収に訪れた統合軍は、味方兵士の遺体については回収し、ゼントラーディ人の遺体は焼却処理をした。しかし、あくまですぐに見つかった分だけである。
焼け焦げて積み重なる残骸の合間に、何が散らばっていても不思議ではない。
タチアナは震える指でシャッターを切った。
絶望、いや、空虚とでも呼ぶべき、乾いた冷ややかな空気がそこに充満しているように思えた。
「私、やっぱり甘かったのかしら…」
同じ事を、タチアナはつぶやいた。まるで心から力が抜き取られていくような感覚であった。
その時。
何かの物音が耳に飛び込み、タチアナは身を強張らせた。
振り返った先にはゆるい山の斜面がいくつか重なり、別段動くものは見当たらなかったが、物音はその向こう側から聞こえたようであった。
全神経を集中させ、その方向を注視した。ここには何も彼女の身の安全を保証する物はない。野生の栗鼠と同じく、常に周囲を警戒しなければならないのだ。
しばらくしてまた物音が聞こえた。前よりもはっきりとした、金属がぶつかるような音。間違いなく、何者かが動かしている。かなり大きいものを。
タチアナの全身を緊張が走り抜けた。岩山の向こうにいるのは巨人に間違いない。しかも、このような場所にいる巨人といえば…
「ターニャ、どうした」
インカムからフレッドが呼びかけてきた。
「何かいるみたい。多分巨人だわ」
「なんだと。危険だ。すぐ戻れ」
「ダメよ。今動いたら見つかっちゃうわ。やり過ごすから、話しかけないで」
タチアナは左右を見回した。
幸い、身を隠す場所には不自由しなかった。タチアナはおそらくバルキリーの一部であったと思われる残骸の陰に身を潜め、隙間から外の様子を窺った。
手が無意識に、夫と娘の写真が収められたペンダントを握り締めた。
ほどなくして、山陰から物音の主が姿を現した。
「あれは…」
その巨人は、タチアナの中にあるゼントラーディ人像とはずいぶん様子が違っていた。
14、5歳の少女。少なくとも彼女にはそう見えた。怪我でもしているのか、歩き方がどこかぎこちない。ヘルメットも服装も不釣合いに大きく、汚れていて、そのせいかずいぶんと貧相に見えた。
ヘルメットからわずかに赤い髪がのぞいている。顔は蒼白く生気に欠けていたが、眼光だけは鋭く、それこそがゼントラーディ人である証であった。
なぜこんな所に一人でいるのだろう。偵察兵だろうか。それにしてはあまりにも頼りなさげである。
タチアナはバンダナをほどいてカメラを覆うと、音を立てないように、2、3回そっとシャッターを切った。
と、息を殺すタチアナの視線の先で、巨人の少女は足元に散らばる物の中に気になる物でもあったのか、何かをつまみあげた。
それが巨人兵の腕の一部だと知ったタチアナは、思わず声を上げそうになった。
が、少女はそれをつまらなそうに放り投げると、再び歩き出した。
「……」
タチアナはひどく心が痛んだ。
このまだ幼さを残す少女が生きているのは、こんなにも命に対して無頓着な世界なのか。その事実が善良な彼女にはいたたまれなかった。この少女とて、本来は優しい心を持っているに違いないのに…
もちろん彼女は、統合軍に散々手を焼かせたゼントラーディ勢力の狡猾な作戦が、この少女の頭から出ていたなど、知りようもない。
さらにその少女の顔立ちがはっきりと分かる距離まで近づいたとき、彼女もまた、ある点に気がついた。
「似てるわ…ドールさんにそっくりよ…」
髪の色も瞳の色も違う。だが、大きな目、鼻の形、ゼントラーディ人としては小さめの口、あらゆるパーツに共通点があった。
「姉妹?いえ、ゼントラーディ人にはそんなものはないわ…」
タチアナは思わず残骸の陰から身を乗り出した。
油断というより他ない。しかし、相手が少女であること、友人に似ているということが、つい気の緩みを誘ってしまったようだ。
街中で知人に声をかける時のような気分に、このときの彼女はなっていたのかも知れない。気がついた時には、タチアナはその少女の足元に、ふいに横合いから出現するような形になっていた。
「……!!」
実に奇妙な光景がそこに起こった。
タチアナはすぐその迂闊な行動を後悔したが、その彼女の眼前で、ゼントラーディの少女は凍り付いた。
まるで鼠に怯える巨象のように、額に冷や汗を浮かべ、口をわずかに開閉させながらじりじりと後ずさる。
「…?」
何をそんなに恐れているのだろう。
相手の不可解な反応に、タチアナはついまた逃げることを忘れ、一歩前に踏み出してしまった。
「あの…」
「○☆※△*◇!!」
意味不明の叫びと共に、少女は慌てて向きを変えて走り出そうとして、突然つんのめり、体をひねるように倒れこんだ。そのさまは、タチアナには妙にゆっくりと見えた。
鈍い地響きと共に、砂漠の砂が舞い上がった。
「あっ」
タチアナは急いで、ポケットからクリップ型の翻訳機を取り出して襟につけ、イヤホンを引き出して耳にはめた。ゼントラーディ語は勉強しているが、まだ自由に会話できるほどではない。
彼女は何とかこの少女と話をしたかった。未だ地球人との共存を拒むゼントラーディ人の、その真の思いを知りたいと思っていたのだ。こんなチャンスは二度とない。
「待って、待ってちょうだい!」
もう危険のことなど、思考回路の外に飛び出てしまっていた。
ひび割れた平原に点々と続く岩山の間を縫いながら、北へと向かってひたすらに駆けていく。
操縦席には、赤い髪の少女。悲壮な面持ちとは裏腹に、機体が揺れるたびに下へと落ちてくるヘルメットを押し戻すその姿は、どこか滑稽でもあった。
リガードはゼントラーディ人なら誰でも操縦法を知っている、簡単な機械である。ただ、操縦法を知っているのと、実際に操縦するのではかなり違う。しかも狭さでは定評のあるこの操縦席も、記録参謀ラン・アルスールには少々大きすぎた。
その上リガードは、その乗り心地の悪さにおいても定評がある。細長い足が地面を蹴るたび、振動が直に硬いシートに伝わり、小さな身体が跳ね上げられた。なんとか舌を噛まないようにしているのが精一杯である。
その状態でほぼ三日間、ランは走り通していた。途中、ほんの数回の休息と、短い仮眠をとったのみ。本来ならもっと休息を入れるべきであるが、時間は一秒でも惜しい。
ひどい振動は疲れの進行を加速させた。首は痛み、尻にはすでに感覚はない。足を伸ばしてペダルを踏んでいるため、足の筋は伸びきっていた。睡眠不足には慣れているが、こうも体力を消耗していると、襲い来る眠気も強烈であった。
それでも、彼女には達成すべき目標があった。
――ドールさんが君を心配しているぞ――
あの時、敵兵の発した言葉がまた脳裏をよぎる。
――ドール司令は、私を忘れたわけじゃない…でも、それならなんで私たちを攻撃なんて…
嫌な考えと眠気を振り払うように、ランは頭を振った。
あの言葉自体が、心理的揺さぶりをかけようとする、地球人の罠かも知れないではないか。
「ドール司令は…絶対に、絶対に裏切り者なんかじゃないよ…」
何とかそれを自分の目で確かめたかった。とにかく、野営地で軍の通信を盗み聞いたり、テレビやラジオに耳を傾けたりしているだけでは情報が少なすぎるのだ。
だが、野営地を飛び出したものの、具体的にどうするのかは何も考えていなかった。
とりあえず彼女は、一番近い街であるアレクサンドリア・シティに行くつもりでいた。そこから先は「行ってから考えよう」である。彼女にしては考えられない無謀ぶりだ。
大体、当然のことながら、街にはマイクロンがうじゃうじゃいるはず…
尾てい骨のあたりから寒気が脊髄を伝ってのぼり、思わぬ身震いが襲い来た。
「ええいっ、もうどうにでもなれっ!!」
自分に向かって叫ぶと、ランはリガードのスピードをさらに上げた。
しかし、このあまりに無謀な行動計画は、破綻を迎えるのも早かった。
波のように襲い来る眠気に、ついに抗しきれなくなったのか、リガードの足取りが段々と怪しくなってきた。
何度も頭を振り、ランは必死に気力を保っている…つもりであった。
どういう訳か、目に映る景色が飛び飛びになる。そのことに気付いた時には既に遅く、眼前に巨大な岩の地肌が迫っていた。
「ああっ」
激しい衝撃。ランは顔面をモニター画面にいやと言うほど打ち付けた。
居眠り運転の挙句、岩山に正面から突っ込んだ哀れなリガードは、きしんだ音を立てながらゆっくりと倒れ、動かなくなった。
「うう…」
やっとのことで、ランは身を起こした。顔面を襲う痛みに顔をおさえると、べったりと血がついた。
慌ててそれを戦闘服の裾でごしごしと拭く。口の中に鉄の味が広がると同時に、重い痛みと妙な違和感を感じ、恐る恐る、舌先で感触を確かめた彼女は、半泣きになった。
「歯が…」
前歯が一本、欠けているらしい。
「……」
しばしの間呆然とした後、ランは次の行動を開始した。ハッチを開け、横倒しになっているリガードから這い出すと、その機体を点検する。
「あーあ…」
調べるまでもない。リガードのメインカメラは完全に潰れていた。
「……」
周囲を見回す。彼方の地平線は砂漠の熱気で揺れ、見えるのは転々とした岩場のみである。
ふう、とランは一つため息をつくと、リガードの操縦席に再び体を突っ込み、持ってきた物を取り出した。
大き目の雑嚢が一つ。中にはわずかばかりの食料である。足りないのは目に見えていたが、無断で出て行く上、あまりたくさん持ち出すのは気が引けたからだ。そして毛布、簡単な方位計測器と双眼鏡、小型ライト。地図は頭に入っている。
水筒と予備のエネルギーカートリッジを弾帯につけ、ビーム銃をかついだ。気休めにしかならないことは分かっているが、日ごろアゾニアからくどいほど銃を離すなと言われ続けたのが、彼女の身にも染み付き出していたのかも知れない。
ヘルメットの顎紐を締めなおすと、ランは揺らめく地平線目指して歩き出した。
まだ癒えきらない左足がズキリと痛む。
一方、遡って三日前、アゾニアの野営地では、一見いつもと変わらぬ静けさの下で、不穏な空気が渦巻いていた。
「参謀がいない…!」
顔面蒼白のフィムナと、一機足りないリガード。何が起こったかは明白だった。
指揮天幕に幹部たちが集まり、険しい顔を付き合わせた。
中でもアゾニアの、苦々しげに口元を結び、目を堅く閉じて眉間に皺を寄せた姿から立ちのぼる怒りのオーラは、百戦錬磨の戦士たちに冷や汗をかかせる程だった。
今にも荒れ狂い出しそうな嵐の予感に刺激され、幹部達は殺気立った。
「脱走は重罪だよ!早く追いかけてとっ捕まえないと。とっちめてやる!」
いきり立つドルシラに、フィムナが怒りを爆発させた。
「なんですって!大体アンタが…!」
割って入るようにソルダムが怒鳴った。
「はやるな!どこに行ったかは想像つく」
「どこだってのさ」
「街だ」
「街ィ!?」
きょとんとするドルシラの横で、女ボスが地面を睨みつけたまま、重々しく口を開いた。
「上官の件で、居ても立ってもいられなくなったんだろう…」
「……」
ドルシラは意味が分からないらしく、妙な顔でアゾニアとソルダムを交互に見た。
「…そんな事言ったって、地球人の街なんか行ってみたところで、どうにもならないじゃんかよ…」
アゾニアは大げさなため息と共に上を仰ぎ見た。
「まさか、こんな突拍子もない真似してくれるとは思わなかったな…」
「一番マズイのは、あいつがドジ踏んで地球人に捕まる事だ。まさか自分から何か喋りゃしないだろうが、奴らはどうも得体の知れない事をしてきそうだからな…」
そう言ってソルダムはカリカリと頭を掻いた。大体、この前の戦闘で、地球人たちがランに狙いをつけていたことは明らかだった。なのに、どうしてこう軽はずみなことができるのか。
「仕方ねぇ。俺が回収に行く。バトルスーツなら速い…ドルシラぁ!!」
「な…なんだよ」
「絶対に口外するなよ。ベラベラ喋りやがったら、舌を引っこ抜くぞ」
「う…うるさいね。あたいだって分かってるよそんなこと」
睨まれて、さすがのドルシラもふてくされたように横を向く。
「あたしが行く」
「おい、アゾニア…!」
彼らの上官は記録参謀のこととなると、いつもの冷静さを忘れる傾向がある。ソルダムは戸惑い、苦々しい表情を作った。
「勝手に出てったことは許されないが、あいつはこの軍団には絶対必要だし、とにかく地球人に見つかるのはまずい」
「そりゃ当然だが、お前が行く理由にはならないぜ」
「あいつも生半可な気持ちで出てったわけじゃ絶対ない。機械みたいに、言われた事しかできなかったあいつが、あたしが怒り狂うのを承知でリガードを持ち出し、あれほど嫌ってるマイクロンの街へ向かった…よほどの覚悟だろう。あたしが行ってやらなきゃ、あいつだって立場がないだろう」
「……」
ランの決意というより、アゾニアの決意を見て取り、ソルダムはそこで引き下がるしかなかった。
「それにしても…あいつらしくねえな。後先考えずに行動するなんてよ…」
しかめっ面と共につぶやいたソルダムに、アゾニアはフッと軽い笑いを投げかけた。
「気がついてなかったか?…あいつな、結構、バカな所あるぞ」
* * *
砂漠の容赦ない太陽が、身長8メートル余の体に降り注いでいた。
もうどれだけ歩いただろうか。
「暑い…」
地球人より暑さ寒さに強いゼントラーディ人だが、暑さの方はどちらかといえば不得手であった。体が大きい分、体温が逃げにくいためだ。
水筒はとうに空である。
周囲の風景は平坦な平原から、ゆるい丘陵地帯へと変わっていた。起伏のある地形が余計に体力を使わせた。
黙々と歩くうち、ふとランは前方に何かか転がっているのを見つけた。
小走りに駆け寄ってみると、それは金属の破片だった。黒く焼け焦げていたが、元の色はダークグリーン。間違いなくゼントラーディ軍のものだ。
「ここは…」
見れば他にも点々と、同じような残骸や、爆発の跡らしき穴が散らばっている。
雑嚢から方位計測器を取り出し、周囲の地形と頭の中の地図とを照合してみた。やはりここは、あの待ち伏せ攻撃を受けた谷間に間違いない。
「私が怪我したところだ…」
あの時の、あの場所に戻ってきたのだ。
方角は間違ってはいないが、目的地まではまだあまりにも遠すぎる。
「……」
気合を入れるつもりか、ランは肩を回す運動をし、大きく一つのびをすると、銃と雑嚢を担ぎなおし、再び歩き出した。
* * *
荒涼たる砂漠の風に吹かれながら、半ば呆然と、その女性は戦場跡にたたずんでいた。ゆるいウェーブのかかった金髪をバンダナで束ね、旧式の大きなカメラを手にしている。
「私…甘かったのかしらね…」
「あ?何か言ったかい?」
インカムから、彼女をここまで運んできたヘリのパイロット、フレッドの間延びしたような声が聞こえた。
この谷間にはヘリは降りられないので、少し離れた平地に待機している。
「いえ…」
そこは、砂漠の丘陵地帯にある谷間で、統合軍とゼントラーディ軍残存勢力との激しい戦闘が行われた場所であった。
いたるところに両軍の武器装備の残骸が散らばり、地面や山の岩肌には黒く焼けた跡、そして爆発や銃弾によって削られた穴が無数にある。
タチアナ・ベリンスカヤはマクロス・タイムズの記者として、ゼントラーディ軍の大型ミサイルにより大きな被害を受けた、アレクサンドリア・シティを訪れた。
街は復旧を始めたとはいえ、その傷跡はあまりに大きかった。大型ミサイルによる破壊は、街をえぐり、また人の心をもえぐった。
彼女もまた、星間大戦中はマクロス内でゼントラーディ軍の攻撃におびえ、近しい人々の死に幾度も接してきた身である。
それでも、決して馴染むことのできない光景が、彼女の心を締め付けた。
(どうしてまだ戦い続けるの…?せっかく自由になれたというのに…)
タチアナは街の惨状を見て回るより、何故、戦いをやめようとしないゼントラーディ人がいるのかを知りたかった。
被害者の感情を煽っていても、戦いは終わらない。互いに誤解があるならそれを正し、共に歩むための努力をしなければ…常に理想を追う彼女はそう考える。そこで途中、先輩記者と別行動をとり、渋るパイロットを無理やり口説き落として、民間人の立入禁止地区であるこの谷間にやってきた。
どうしても自分の目で、本物の戦闘の一端でも見ておきたかったのだ。
もしかしたらあるいは、抱いている疑問への答えの糸口を見出せるかも知れない。
しかし、ここにあったのは、彼女が想像していた以上の戦争の現実だった。
一応ながら復旧が進むアレキサンドリア・シティと違い、ここは地獄そのものであった。
ときおり、風に乗って異様な臭気が襲い来て、そのたびに彼女はこみ上げる吐き気を辛うじて押さえた。
戦闘の後、調査・回収に訪れた統合軍は、味方兵士の遺体については回収し、ゼントラーディ人の遺体は焼却処理をした。しかし、あくまですぐに見つかった分だけである。
焼け焦げて積み重なる残骸の合間に、何が散らばっていても不思議ではない。
タチアナは震える指でシャッターを切った。
絶望、いや、空虚とでも呼ぶべき、乾いた冷ややかな空気がそこに充満しているように思えた。
「私、やっぱり甘かったのかしら…」
同じ事を、タチアナはつぶやいた。まるで心から力が抜き取られていくような感覚であった。
その時。
何かの物音が耳に飛び込み、タチアナは身を強張らせた。
振り返った先にはゆるい山の斜面がいくつか重なり、別段動くものは見当たらなかったが、物音はその向こう側から聞こえたようであった。
全神経を集中させ、その方向を注視した。ここには何も彼女の身の安全を保証する物はない。野生の栗鼠と同じく、常に周囲を警戒しなければならないのだ。
しばらくしてまた物音が聞こえた。前よりもはっきりとした、金属がぶつかるような音。間違いなく、何者かが動かしている。かなり大きいものを。
タチアナの全身を緊張が走り抜けた。岩山の向こうにいるのは巨人に間違いない。しかも、このような場所にいる巨人といえば…
「ターニャ、どうした」
インカムからフレッドが呼びかけてきた。
「何かいるみたい。多分巨人だわ」
「なんだと。危険だ。すぐ戻れ」
「ダメよ。今動いたら見つかっちゃうわ。やり過ごすから、話しかけないで」
タチアナは左右を見回した。
幸い、身を隠す場所には不自由しなかった。タチアナはおそらくバルキリーの一部であったと思われる残骸の陰に身を潜め、隙間から外の様子を窺った。
手が無意識に、夫と娘の写真が収められたペンダントを握り締めた。
ほどなくして、山陰から物音の主が姿を現した。
「あれは…」
その巨人は、タチアナの中にあるゼントラーディ人像とはずいぶん様子が違っていた。
14、5歳の少女。少なくとも彼女にはそう見えた。怪我でもしているのか、歩き方がどこかぎこちない。ヘルメットも服装も不釣合いに大きく、汚れていて、そのせいかずいぶんと貧相に見えた。
ヘルメットからわずかに赤い髪がのぞいている。顔は蒼白く生気に欠けていたが、眼光だけは鋭く、それこそがゼントラーディ人である証であった。
なぜこんな所に一人でいるのだろう。偵察兵だろうか。それにしてはあまりにも頼りなさげである。
タチアナはバンダナをほどいてカメラを覆うと、音を立てないように、2、3回そっとシャッターを切った。
と、息を殺すタチアナの視線の先で、巨人の少女は足元に散らばる物の中に気になる物でもあったのか、何かをつまみあげた。
それが巨人兵の腕の一部だと知ったタチアナは、思わず声を上げそうになった。
が、少女はそれをつまらなそうに放り投げると、再び歩き出した。
「……」
タチアナはひどく心が痛んだ。
このまだ幼さを残す少女が生きているのは、こんなにも命に対して無頓着な世界なのか。その事実が善良な彼女にはいたたまれなかった。この少女とて、本来は優しい心を持っているに違いないのに…
もちろん彼女は、統合軍に散々手を焼かせたゼントラーディ勢力の狡猾な作戦が、この少女の頭から出ていたなど、知りようもない。
さらにその少女の顔立ちがはっきりと分かる距離まで近づいたとき、彼女もまた、ある点に気がついた。
「似てるわ…ドールさんにそっくりよ…」
髪の色も瞳の色も違う。だが、大きな目、鼻の形、ゼントラーディ人としては小さめの口、あらゆるパーツに共通点があった。
「姉妹?いえ、ゼントラーディ人にはそんなものはないわ…」
タチアナは思わず残骸の陰から身を乗り出した。
油断というより他ない。しかし、相手が少女であること、友人に似ているということが、つい気の緩みを誘ってしまったようだ。
街中で知人に声をかける時のような気分に、このときの彼女はなっていたのかも知れない。気がついた時には、タチアナはその少女の足元に、ふいに横合いから出現するような形になっていた。
「……!!」
実に奇妙な光景がそこに起こった。
タチアナはすぐその迂闊な行動を後悔したが、その彼女の眼前で、ゼントラーディの少女は凍り付いた。
まるで鼠に怯える巨象のように、額に冷や汗を浮かべ、口をわずかに開閉させながらじりじりと後ずさる。
「…?」
何をそんなに恐れているのだろう。
相手の不可解な反応に、タチアナはついまた逃げることを忘れ、一歩前に踏み出してしまった。
「あの…」
「○☆※△*◇!!」
意味不明の叫びと共に、少女は慌てて向きを変えて走り出そうとして、突然つんのめり、体をひねるように倒れこんだ。そのさまは、タチアナには妙にゆっくりと見えた。
鈍い地響きと共に、砂漠の砂が舞い上がった。
「あっ」
タチアナは急いで、ポケットからクリップ型の翻訳機を取り出して襟につけ、イヤホンを引き出して耳にはめた。ゼントラーディ語は勉強しているが、まだ自由に会話できるほどではない。
彼女は何とかこの少女と話をしたかった。未だ地球人との共存を拒むゼントラーディ人の、その真の思いを知りたいと思っていたのだ。こんなチャンスは二度とない。
「待って、待ってちょうだい!」
もう危険のことなど、思考回路の外に飛び出てしまっていた。
この記事へのコメント
忘れてなかったけど忘れてた!
おひさしぶりですらんこさん。ブログの方が二ヶ月も更新なかったので心配していました。
さて、わたしがこの「別館大本営」の存在を忘れ去ることなどありえないのですが、しかし、ランが子供だということはすっかり忘れて、「ゼントラーディ軍大本営」に頭のネジがゆるんだ質問を送ってしまいましたね。ちょっと言い訳させて下さい。「ゼントラーディ軍大本営」で皆さんの質問に答えるランは、「別館大本営」のランより少し大人っぽいと思うんですよ。だからなんというかその……ごめんなさい! やはり言い訳はしょせん言い訳ですね。ごめんなさいラン。反省してます。もう二度と貴女のことを忘れたりしません。どうか許して下さい。
さて、わたしがこの「別館大本営」の存在を忘れ去ることなどありえないのですが、しかし、ランが子供だということはすっかり忘れて、「ゼントラーディ軍大本営」に頭のネジがゆるんだ質問を送ってしまいましたね。ちょっと言い訳させて下さい。「ゼントラーディ軍大本営」で皆さんの質問に答えるランは、「別館大本営」のランより少し大人っぽいと思うんですよ。だからなんというかその……ごめんなさい! やはり言い訳はしょせん言い訳ですね。ごめんなさいラン。反省してます。もう二度と貴女のことを忘れたりしません。どうか許して下さい。
2009/10/08(木) 10:47:14 | URL | 蚕霖軽虎 #dZ0847IM[ 編集]
ありがとうございます
●蚕霖軽虎さん
心配おかけしました。ごめんなさい。
早速チェックしていただいて本当にありがとうございます。
ランは豆なんで子供に見えますが、実年齢は地球人でいうところの18才ぐらいです。
でもミリアは確か15才って設定なんですよねぇ~...そうは見えないけど...(笑)。ですので、ゼントラ人は14~5才の姿で誕生するのではないか...と、思ってます。
あと、巨人状態の時は地球人より年取るのが遅いんではないかとも考えています。何百年とかは生きないでしょうけど。
あとゴメンナサイ。QAコーナーの方、なかなか更新できません。いっぱい質問溜めちゃってます。すんません。がんばりますので今後も見捨てないでくださいましm(_ _)m
心配おかけしました。ごめんなさい。
早速チェックしていただいて本当にありがとうございます。
ランは豆なんで子供に見えますが、実年齢は地球人でいうところの18才ぐらいです。
でもミリアは確か15才って設定なんですよねぇ~...そうは見えないけど...(笑)。ですので、ゼントラ人は14~5才の姿で誕生するのではないか...と、思ってます。
あと、巨人状態の時は地球人より年取るのが遅いんではないかとも考えています。何百年とかは生きないでしょうけど。
あとゴメンナサイ。QAコーナーの方、なかなか更新できません。いっぱい質問溜めちゃってます。すんません。がんばりますので今後も見捨てないでくださいましm(_ _)m
2009/10/10(土) 23:17:17 | URL | 作者。 #f4U/6FpI[ 編集]
■拍手お礼
●ランダムさん
拍手メッセありがとうございます。
本当に心配おかけしてごめんなさい。
こんな作品でも、待っててくれる方がいるなんて、ホント感激です...
次は...えっと...がんばります(>_<)
拍手メッセありがとうございます。
本当に心配おかけしてごめんなさい。
こんな作品でも、待っててくれる方がいるなんて、ホント感激です...
次は...えっと...がんばります(>_<)
2009/10/10(土) 23:21:23 | URL | 作者。 #f4U/6FpI[ 編集]
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